PTなのに診断してる?機能評価の目的と考え方

理学療法士が行う機能評価の目的

突然ですが、あなたは普段、なんのために機能評価をしていますか?

たまに患者さんを診断することを目的に評価をしているセラピストを見かけますが、僕たちPTの役割は診断することではありません。

 

fukataro

今回は評価の目的について、一緒に考えてみよう!

機能評価の目的は診断することではない

理学療法士ガイドラインに機能評価の目的が書かれていたので箇条書きで紹介します。

機能評価の目的は以下の通り。

  • 身体の状態、ADL、QOLを把握するため
  • 経時的に評価することで状態の変化を知るため
  • 治療目標を決めるため
  • 予後を推測するため
  • 障害因子をみつけるため

これらの理由によって、機能評価を実施していくと記載されています。

 

このガイドラインを読んでもわかる通り、僕たちセラピストの役割は診断することではなく問題点を突き詰め改善していくことです。

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医者の診断よりも細かい部分まで患者さんの状態を把握する必要があるってこと!

診断名に合わせたリハビリでは足りない

セラピストが診断すべきでない理由のひとつに、治療内容が偏ってしまうことが挙げられます。

1
腰が痛い
2
腰椎椎間板ヘルニア疑いSLRテストをする
3
陽性のため、腰椎椎間板ヘルニアと判断
4
ヘルニアに対する治療方法を調べ実施する

これまでつい患者さんを診断してしまっていた人は、このような思考回路になっていたのではないでしょうか?

この考え方が間違いとは思いませんが、診断に対する治療がワンパターンになってしまい、患者さん一人ひとりに適切な治療が行えていない可能性があります。

 

もう少し細かく問題点をみてみよう

先程あげた例では、「SLRテストが陽性だから腰椎椎間板ヘルニア」と判断していました。

しかし、今後は「SLRテストが陽性ということは坐骨神経に異常があるのかも?」と考えてほしいです。

 

ここからさらに、どの椎体レベルで坐骨神経に異常があるのかを、感覚検査や腱反射、画像所見によって特定していきます。

リハビリを進めていく上で問題になっていることはヘルニアそのものではなく、ヘルニアによって坐骨神経が圧迫されていることです。

治療においても、この坐骨神経にかかるストレスをどのように軽減させていくか、と考えていきます。

 

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リハビリでは、ヘルニアそのものを治すことはできないからね!

細かい問題点を見つけることのできるPTは強い

臨床経験に関係なく、良いセラピストは問題点を特定することに優れています。

ヘルニアが存在するというだけで考えることを止めることなく、どの椎体レベルにヘルニアがあるのかなぜそこにヘルニアが生じてしまったのか予後はどのようになりそうかなど問題点を深く掘り下げていきます。

 

問題点を見つけるためにする必要な機能評価

  1. 関節可動域検査
  2. 徒手的、あるいは測定機器による筋力検査
  3. 筋電図等を用いた神経・筋機能評価
  4. 各種の方法による動作分析
  5. 呼吸循環機能検査
  6. 平衡機能検査
  7. 体力評価
  8. 痛みの評価

これらの機能評価を用いて、どの組織にどのような異常があるのかを特定していきます。

もちろん、そのためには問診も欠かせません。

 

*問診については、【問診が8割】理学療法評価で重要な問診の考え方を参考にしてみてください。

 

機能評価の目的は問題点の特定!

この記事を読んで後、皆さんに変えてほしい意識は、機能評価は診断するためではなく問題点をあぶり出すためにするということです。

「ヘルニアがある」で思考を停止せずその次のステップに進んでみましょう。

 

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