fukataro
評価項目を考えてきてね!
と、ここまで急に言われることは少ないですが、評価・検査項目決めに困る人は多いと思います。
そこで今回は、検査項目を決めるための考え方を紹介します。
患者さんを知る
しっかりしている学生ほど、いきなり教科書や論文から患者さんに合った評価を探すというミスをよくみかけます。
しかし、まず初めにやるべきことは、患者さんを知ること。
そこで、検査項目を決める前に、情報収集と問診をすることを強くオススメします。
情報収集
まずはカルテをみせてもらいましょう。
そこには、患者さんや家族から聞いた情報、手術記録など、担当の患者さんを理解する上でとても大事な情報が満載です。
特に、手術をしている場合は、手術記録を読み込む必要があります。
手術中に医者がアプローチした組織を把握することが、今後のリハビリで気をつけるリスクや痛みの要因を考える手がかりになります。
許しがあれば、担当の医者に患者さんのことについて質問できると良いですね。
問診
詳しい検査項目を決定する前に、問診は必須の項目です。
問診は、症状がどのようにして出現したのか、そもそも何を目的に病院を受診したのかなどの情報を聞き出し、検査や治療内容を決めることに役立ちます。
また、問診によって、患者さんの全体像を把握することもできますね。
問診内容について詳しく知りたい方は、この記事を参考にしてみてください。
【問診が8割】理学療法評価で重要な問診の考え方目の前の患者さんが困っていることは?
おらふ
目の前にいる人は「全人工股関節置換術後の患者」ではなく、「グランドゴルフが趣味の〇〇さん」という意識をもつことが大切です。
疾患名や手術方法に注目しすぎると、患者さんを置き去りにした評価になってしまいます。
目の前にいる人が「何に困っていてどうなりたいのか」、いわゆるDemandとNeedsは常に意識しておきましょう。
DemandとNeeds
問診で必ず聞くであろう、患者さんのDemandとNeeds。
この2つが、今後の評価や治療のときに重要な情報になります。
よって、この2つはできる限り深く質問したいです。
グランドゴルフがしたいとのことなら、
- グランドゴルフをするためにどんな動きが必要か?
- 何分間くらい動き回るのか?
- 手術前に困っていた動きはないか?
- どのくらいの頻度でグランドゴルフをしているのか?
など、詳しく聞いたことを評価の選択に活かします。
しゃがみ込む必要があるのなら、かなり下肢の関節可動域が必要。
1日に4時間近くしているのであれば、持久力も必要。
このように1つずつ、なるべく具体的に動作をイメージしましょう。
なぜやりたいのにやれない?
ここから、患者さんの問題点を整理していきます。
次はこの「〇〇」を考える段階です。
この「〇〇」に入る項目は、大きくわけて5つ。
- 痛み
- 関節可動域制限
- 筋力低下
- 心肺機能低下
- バランスや協調性の異常
この5つの中で、何かが当てはまると思います。
当てはまったら、あとはその項目についての検査をピックアップしていきます。
ここまできて、ようやく教科書や論文を活用ですね。
- 問題の原因が「痛み」だとしたら…整形外科的テスト
- 問題の原因が「可動域制限」だとしたら…ROM
- 問題の原因が「筋力低下」だとしたら…MMT
- 問題の原因が「心肺機能低下」だとしたら…METs
- 問題の原因が「バランスや協調性の異常」だとしたら…BBSやBRS
上記した検査は、ほんの一例です。
患者さんの問題点を、より詳細にあぶり出すためにも、様々な評価をしてみましょう。
まとめ:評価の前に、患者さんについて知る
ここまで読んでくれた方は、患者さんについて知る前に教科書や論文を引っ張り出すことが、いかに間違っているかが理解できたと思います。
教科書や論文に患者さんを当てはめるのではなく、患者さんのことを知った上で、患者さんの為に教科書や論文を活用しましょう。
*この機会に、問診もマスターしよう!
【問診が8割】理学療法評価で重要な問診の考え方
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