はじめに
Hip-Spine syndromeやKnee-Spine syndromeなどとも言われるように隣接関節の影響は大きく、症状発現部位と治療介入の鍵となる部位が異なっていることは多くあります。
今回は隣接関節の影響について少し考えていきます。
低可動性と過可動性は隣り合わせ
例えば股関節伸展の可動域制限があり、空間的な下肢の位置を身体より後方へ位置させるためには、腰椎を伸展させることで代償可能です(上図 左が腰椎進展代償)。これは非常に視覚的に認知しやすい例ですね。教科書にもよく出てくると思います(徒手検査時の注意点や歩行観察などで)。
このように隣接関節関節は相互に影響します。
例をいくつか挙げていきましょう。(各図 左側が代償)
背屈可動域制限に対する外反扁平足
肘関節伸展制限による、肩関節伸展(上腕骨頭前方変位)
前腕回外可動域制限による肩関節外旋での代償(上腕骨頭前方変位)
これらのことを考慮すると、腰椎の過伸展で症状を出している場合に、胸椎の可動域改善が課題になったり、肩の術後の患者で上腕骨頭前方変位により求心位がうまく取れない場合にインナーマッスルの介入だけでは反応せず、肘や前腕の可動域改善によって肩の状態が良くなるかもしれません。
まとめ
・低可動性と過可動性(不安定性)は隣り合わせ!
・隣接関節にも注目し、視野を広げよう!
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