感作

感作とは

動物が有害な刺激に繰り返しさらされると、刺激に対する応答は習慣化する。
一方、有害な刺激によって動物は恐怖を学習し、有害な刺激だけでなく同時に起こった他の刺激にも活発に反応するようになる。その結果、引き込みや逃避と言った防御反応は増強される。この防御反応の増大は感作(sensitization)と呼ばれる。

カンデル神経科学より

末梢神経感作

受容野の刺激に対する末梢侵害受容ニューロンの反応性の亢進と閾値が低下した状態

 

中枢神経感作

正常あるいは閾値以下の求心性入力(触刺激なら触刺激なりの信号が上がる)に対して示す中枢神経系の侵害受容ニューロンの亢進した反応性

神経原性炎症

組織障害によって炎症物質等の放出

侵害受容器を活性化あるいは感作

炎症性物質による反応の連鎖(隣接の組織に蔓延、飛び火する)

正常な組織でも起こり、二次性・拡散性痛覚過敏を起こす

感作への対応

末梢神経感作に関しては、許容範囲内での刺激や課題を用いて脱感作を図ることも可能だと考えます。例)神経系モビライゼーションでのスライダーなど

中枢神経感作に関しては、Dr.へ相談して服薬や注射などの対応を検討するのを第一選択としたほうが良さそうです。中枢性のものに関しては、患者さん自身の信念や受けて来きた説明などによる観念、病態の誤認や誇大な不安、背景(受傷時のトラウマ、仕事、家庭、経済的な問題)などの影響もあります。踏み込むのにリスクがありますが、傾聴や説明によってストレスを緩和できる可能性はあると思います。ポジショニングや物理療法(TENSやアイシングなど)もリスクは考慮しつつ試してみても良いかもしれません。

まとめ

・感作とは過敏性が高まっている状態。
・感作には末梢性と中枢性がある。
・Dr.への相談も大切。

1 COMMENT

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください