整形外科医や理学療法士・トレーナーは、患者さんに痛みがあった場合、どこが痛みを引き起こしているのかを知るために、あらゆる方法を使って損傷の部位を特定します。
その方法の1つが、整形外科的テストと呼ばれるもの。
この記事では、頸椎の整形外科的テストを紹介します。
頸椎の整形外科的テストは、大きく2つに分けられます。
まずは、椎骨動脈の循環の評価。
頸椎の検査をする前に実施しておきたいリスク管理です。
そして痛みや痺れの原因組織を特定するためのストレステスト。
それぞれ順に紹介していきます。
目次
椎骨動脈の循環評価
椎骨動脈に循環不全があった場合、頸椎に対する検査やアプローチが循環不全をさらに悪化させる恐れがあります。
そのため、頸椎に介入する前にリスク管理として、椎骨動脈の循環を評価することをオススメします。
Barre Leiou Sign(バレ・リーウー徴候)
このテストは、椎骨動脈の圧迫症候群を調べるテストです。
- 患者さんは座位に
- 頭を左右に回旋するよう指示する
マイグネテスト
このテストは、椎骨動脈・脳底動脈の圧迫症候群を調べるテストです。
- 患者さんは座位に
- 頭を左右どちらかに回旋・伸展するよう指示する
- 15~40秒間、その姿勢を維持する
頸部へのストレステスト
ここからは、直接頸部へストレスをかけるテストを紹介します。
これらの検査によって、痛みや痺れの原因を特定する手がかりになります。
Foraminal Compression test(椎間孔圧迫テスト)
(感度:30% 特異度:95%)
このテストは、椎間孔の狭窄・椎間板や椎間関節の異常を調べるテストです。
- 患者さんは座位に
- 頭頂部を上から圧迫する
- 頸部を回旋した肢位でも実施する
Distracsion test(伸延テスト)
(感度:25% 特異度:100%)
このテストは、椎間孔の狭窄・椎間板や椎間関節、筋や靭帯の異常を調べるテストです。
- 患者さんは座位に
- 両手で外後頭隆起と側頭骨を把持する
- 上方にゆっくりと30秒間牽引する
Spurling test(スパーリングテスト)
(感度:30% 特異度:90%)
このテストは、椎間孔の狭窄・椎間板や椎間関節の異常を調べるテストです。
- 患者さんは座位に
- 頸部を側屈してもらう
- 頭頂部を上から圧迫する
Jackson compression test(ジャクソンテスト)
(感度:50% 特異度:85%)
このテストは、椎間孔の狭窄や椎間関節の異常を調べるテストです。
- 患者さんは座位に
- 頸部を側屈・伸展してもらう
- 頭頂部を上から圧迫する
Shoulder Depression test(肩引き下げテスト)
(感度:50% 特異度:75%)
このテストは、筋や靭帯、硬膜や神経根、腕神経叢の異常を調べるテストです。
- 患者さんは座位に
- 頭と肩を把持し、引き離す
fukataro

* これをきっかけに、感度・特異度も理解しよう!

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