患者さん
ズバリ!腰の痛みは、ヘルニアが原因だ!
てっちー
と短絡的に決めつけてませんか???
整形外科的テストなどの検査は、結果が陽性だったからといって、必ずしも検査内容が原因であるとは限りません。
もちろんSLRテストが陽性の場合、ヘルニアが原因であるときもありますし、そうではない場合もあります。
よって、ひとつの検査だけで原因を決めつけることはできません。
そんな時に使える考え方が、感度と特異度です。
感度と特異度を理解し、それを臨床に活かすことで、より質の高い評価治療が行えます。
そもそも感度と特異度って?
感度と特異度は、検査の信頼性を表す指標です。
ここでは、腰椎椎間板ヘルニアに対する検査の1つ、SLR test(感度85% 特異度52%)を例にあげて、具体的に説明していきます。
SLR testは、腰椎椎間板ヘルニアを診断するための検査のひとつで、検査結果が陽性であればヘルニアを疑います。
感度とは?
「感度」とは、ヘルニアが原因の人が、SLR Testで陽性になる確率のこと。
例にあげた、SLR testの感度は85%です。
この人たち全員に、SLR testを実施すると…
このように、ヘルニアのある85%の人に対しては正確に診断できるが、残りの15%の人は見逃してしまうということが、SLR testの感度85%という意味です。
特異度とは?
「特異度」とは、ヘルニアが原因ではない人が、SLR testで陰性になる確率のこと。
例にあげた、SLR testの特異度は52%です。
この人たち全員に、SLR testを実施すると…
このように、ヘルニアのない52%の人に対しては正確に診断できるが、残りの48%の人は誤った診断をしてしまうということが、SLR testの特異度52%という意味です。
感度と特異度の活用法
ここからは、感度と特異度を使ってどのように評価の質を上げていくか、解説していきます。
感度は除外診断
感度が高いテストで注目するポイントは、陰性になった場合です。
感度が高いテスト、すなわち、見逃す可能性の低いテストで陰性になるということは、ヘルニアである可能性が低いといえます。
このように、検査によって原因の候補を減らしていくことを、除外診断といいます。
特異度は確定診断
では特異度が高いテストではどうでしょう。
特異度が高いテストで注目するポイントは、陽性になった場合です。
特異度が高いテスト、すなわち、見過ぎる可能性の低いテストで陽性になるということは、ヘルニアである可能性が高いといえます。
このように、検査によって原因を採用することを、確定診断といいます。
まとめ:感度と特異度を上手に使おう
感度と特異度について、ややこしい話だったと思いますが、理解できたでしょうか?
簡単にまとめると、
感度が高いテストで陰性だった場合、除外診断ができる。(原因である可能性が低くなる)
特異度が高いテストで陽性だった場合、確定診断ができる。(原因である可能性が高くなる)
このことを頭に入れて整形外科的テストを行うと、患者さんの問題点がより正確に見えてきます。
今後、整形外科的テストを勉強していく際は、感度・特異度の考え方を頭に入れて勉強していきましょう。
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