整形外科医や理学療法士・トレーナーは、患者さんに痛みがあった場合、どこが損傷して痛みを引き起こしているのかを知るために、あらゆる方法を使って損傷の部位を特定します。
その方法の1つが、整形外科的テストと呼ばれるもの。
この記事では、股関節の整形外科的テストを紹介します。
目次
Impingement test(インピンジメントテスト)
このテストは、股関節インピンジメントを調べるテストです。
- 患者さんは背臥位に
- 股関節を90°屈曲する
- さらに内転と内旋をくわえる
判定基準
股関節前方に痛みやつまり感が出現した場合、陽性です。
Patrick test(パトリックテスト)
このテストは、股関節内病変を調べるテストです。
- 患者さんは背臥位に
- 股関節を屈曲・外転・外旋させ、足部を反対の膝にのせる
- そのまま膝を床の方向へ押す
判定基準
股関節に痛みが出現した場合、陽性です。
Ober’s test(オーバーテスト)
このテストは、大腿筋膜張筋と腸脛靭帯の短縮を調べるテストです。
- 患者さんは側臥位に
- 膝を伸展位のまま、内転させる
判定基準
股関節内転に制限がある場合、陽性です。
Thomas test(トーマステスト)
このテストは、股関節屈曲拘縮を調べるテストです。
- 患者さんは背臥位に
- 検査したい脚の反対の膝を抱えてもらう
判定基準
伸ばしているほうの脚の膝が屈曲した場合、陽性です。 ポイント
下腿をベッド端から出して検査することで、股関節屈曲拘縮の要因となる筋肉を考えやすくなります。
膝が伸展した場合、大腿直筋が制限因子になっている可能性が高いです。
また、膝関節があまり動かずに股関節が屈曲した場合、腸腰筋が制限因子になっている可能性が高いです。
Ely test(エリーテスト)
このテストは、大腿直筋の短縮を調べるテストです。
- 患者さんは腹臥位に
- 膝関節を屈曲させる
判定基準
膝関節を曲げていく時に臀部が浮いてきた場合、陽性です。
Alice test(アリステスト)
このテストは、大腿骨と脛骨の短縮を調べるテストです。
- 患者さんは背臥位に
- 両方の膝を屈曲してもらう
判定基準
膝関節の高さに違いがある場合、陽性です。
Anvil test(アンビルテスト)
このテストは、股関節の病変・骨折を調べるテストです。
- 患者さんは背臥位に
- 踵を拳で叩打する
判定基準
股関節に痛みが出現した場合、陽性です。
* これをきっかけに、感度・特異度も理解しよう!
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