胸部の整形外科的テストまとめ

胸 整形外科的テスト

整形外科医や理学療法士・トレーナーは、患者さんに痛みがあった場合、どこが損傷して痛みを引き起こしているのかを知るために、あらゆる方法を使って損傷の部位を特定します。

その方法の1つが、整形外科的テストと呼ばれるもの。

この記事では、胸部の整形外科的テストを紹介します。

Soto Hail test(ソート・ホイルテスト)

このテストは、胸椎周辺の組織損傷を調べるテストです。

  1. 患者さんは背臥位に
  2. 頸部を最大前屈する
  3. さらに胸椎を前屈させる

ソート・ホイルテスト 整形外科テスト

判定基準
胸椎に局所痛が出現した場合、陽性です。
MEMO
胸椎を前屈させたとき、患者さんの膝が立ったときは髄膜刺激症状を疑います。

 

Stermal Compresson test(胸骨圧迫テスト)

このテストは、肋骨骨折を調べるテストです。

  1. 患者さんは背臥位に
  2. 心臓マッサージと同じように胸骨上部に両手をのせる
  3. そのまま下方に圧迫する

胸椎圧迫テスト 肋骨骨折

判定基準
局所痛または肋骨側面に痛みが出現した場合、陽性です。

 

Beevor’s sign(ビーバー徴候)

このテストは、胸椎神経根症状を調べるテストです。

  1. 患者さんは膝屈曲での背臥位に
  2. 両手を頭の後ろで組んでもらう
  3. そのまま状態を起こし、腹筋運動をするよう指示する

ビーバー徴候 整形外科テスト

判定基準
臍の位置が移動した場合、陽性です。
MEMO
臍が上方に移動した場合は、Th10~12の神経根症状を疑う。

臍が下方に移動した場合は、Th7~10の神経根症状を疑う。

 

Schepelman’s sign(シュペルマン徴候)

このテストは、肋骨周辺の炎症を調べるテストです。

  1. 患者さんは座位に
  2. 上体を側屈してもらう

シュペルマン徴候 整形外科テスト

判定基準
側屈した時に痛みが出現した場合、陽性です。
MEMO
上体を曲げたほうに痛みが出た場合、肋間神経炎を疑う。

反対側に痛みが出た場合は、胸膜や肋間筋の炎症を疑う。

 

Rib Hump sign(リブハンプ徴候)

このテストは、脊柱側弯症・脊柱後弯症を調べるテストです。

  1. 患者さんは立位にし、検者は後方に位置する
  2. 立位の状態で側弯や後弯の有無を視診で確認
  3. 患者さんに前屈してもらい、再び視診

前屈 GIF

判定基準
①両肩の高さに差があるか

②肩甲骨の飛び出し方に差があるか

③ウエストラインに非対称性がみられるか

④前屈したときに肋骨や腰部が隆起するか

MEMO
立位で側弯がみられ、前屈時に側湾が減少する場合は、軟部組織による機能的側弯です。

例)悪姿勢・股関節拘縮・脚長差など

 

Chest Expansion test(胸郭拡張テスト)

このテストは、肋椎関節や呼吸器の異常を調べるテストです。

  1. 患者さんは座位か立位に
  2. 乳頭の高さにメジャーを巻きつける
  3. 最大吸気時・最大呼気時でそれぞれ計測する

胸郭拡張 

判定基準
成人男性で5.0cm以下、成人女性で3.5cm以下の拡張差の場合、陽性です。

 

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