整形外科医や理学療法士・トレーナーは、患者さんに痛みがあった場合、どこが損傷して痛みを引き起こしているのかを知るために、あらゆる方法を使って損傷の部位を特定します。
その方法の1つが、整形外科的テストと呼ばれるもの。
この記事では、腰部の整形外科的テストを紹介します。
目次
Straigt Leg Rising test(SLRテスト)
(感度:80~95% 特異度:10~55%)
このテストは、坐骨神経の異常を調べるテストです。
- 患者さんは背臥位に
- 下肢をゆっくりと痛みが出るところ、または90°まで挙上する
判定基準
臀部や大腿後面に放散痛が出現した場合、陽性です。 MEMO
腰部の局所的な痛みは、椎間板の損傷を示唆します。
Bragard’s test(ブラガードテスト)
このテストは、坐骨神経の異常を調べるテストです。
- 患者さんは背臥位に
- 下肢をゆっくりと痛みが出るところまで挙上する
- 下肢を5°下げた後、足関節を背屈する
判定基準
臀部や大腿後面に放散痛が出現した場合、陽性です。 MEMO
このテストは、SLRテストが陽性だった場合に実施しましょう。
Lasegue’s test(ラセーグテスト)
このテストは、坐骨神経の異常を調べるテストです。
- 患者さんは背臥位に
- 膝を屈曲させながら、同時に股関節を屈曲させる
- 股関節は屈曲させたまま、膝関節を伸展させる
判定基準
2の動作で痛みがなく、3の動作で臀部や大腿後面に放散痛が出現した場合、陽性です。
Kemp’s test(ケンプテスト)
このテストは、椎間板の異常を調べるテストです。
- 患者さんは立位か座位に
- 上体を斜め後方に倒し、回旋させる
判定基準
局所痛や放散痛が出現した場合、陽性です。 MEMO
上体を倒した側の痛みは、椎間板外側部の損傷を示唆します。
反対側の痛みは、椎間板内側部の損傷を示唆します。
Femoral Nerve Traction test(大腿神経伸展テスト)
このテストは、大腿神経の異常を調べるテストです。
- 患者さんは腹臥位に
- 股関節を15°伸展する
- そのまま膝関節を屈曲させる
判定基準
大腿前内側や下腿に放散痛が出現した場合、陽性です。 MEMO
大腿前内側の放散痛はL3の神経根障害が疑われ、下腿に広がる痛みはL4の神経根障害が疑われます。
One Leg Standing Lumber Extension test(片脚立ち腰椎伸展テスト)
このテストは、関節突起間の異常を調べるテストです。
- 患者さんは立位に
- 片脚立位をしてもらい、そのまま腰部を伸展する
- 患者さんがバランスを崩す場合は近づいて支える
判定基準
腰部に局所痛が出現した場合、陽性です。 MEMO
腰部の局所的な痛みは、脊椎分離症や脊椎すべり症を示唆します。
* これをきっかけに、感度・特異度も理解しよう!
【世界一わかりやすい】理学療法評価における感度・特異度
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